スマホに搭載されてるGPSを活用したライドアプリのおかげで、獲得標高を取得できるようになったのは、自転車乗り、特に坂道が好きな人にとっては大きな恩恵。
その一方で、スマホで記録するか、サイコン(GERMIN等)で記録するかで、けっこう値が変わるのがちょっと悩ましい。
一般的にはGPSと気圧高度計を搭載したGERMINなんかが正確な数字なんじゃないかと言われるけど、気圧高度計そのものが気圧の変化等で誤差がでることは確か。
そのあたりを確かめるのに、良い方法はないのかと前から思ってて、今回は一つの割り出し方法を試してみた。
カシミール3D
カシミール3Dは有料版で標高を利用した3Dマップ機能が利用できますが、無料版でも国土地理院で公開してる、基盤地図情報の標高データ(5mメッシュの目の細かいやつ)を自分で取り込み、設定することができるので、それにSTRAVAのライドデータを読み込んでみた。
まずはSTRAVAからライドデータをGPXフォーマットでエクスポート。
それをカシミール3Dに読み込ませまます。
(ファイル→GPS各種ファイルを読む)
ライドコースがカシミール3Dに赤線で表示されます。
続いて、このライドのデータをグラフ表示して、獲得標高を見てみます。
(編集→GPSデータ編集)
GPSデータエディタで「トラック」フォルダの該当データを右クリックして、メニューから「グラフ表示」を選択。
ライドデータが表示されます。
赤い折れ線グラフが、スマホのGPSから取り込んだ標高で、グラデーションで山形になってるのが実際の地形。
スマホのGPSデータは583mと、STRAVAの値(536m)に比べて、かなり誤差が大きい。
そこで、グラフをいったん閉じて、再び右クリックメニューから「標高値の書き換え」を選択。
こうするとスマホのGPSで取得した値を、カシミール3Dの標高データで書き換えてくれます。
こうして再びグラフ表示したものがこちら。
獲得標高526m、このあたりが一番正確な値と推定できます。
それぞれ比較すると
STARVA:536m
GPSからの生データ:587m
カシミール3D(補正):526m
スマホのGPSで計測した生データは高度方向には誤差が大きく、それが587mという過大値を出してしまう。
STRAVAでは、ある程度の誤差補正をかけていると推測され、その補正値が536m。
カシミール3Dでは、コースの全てに沿った標高差を国土地理院の標高データのみから取得してて、その結果526mという値を導出してる。
おそらく使っているスマホの機種にも左右されるだろうけど、STRAVAの値はかなりの近似値だと言える。
実際の標高差データより2%程度多め程度。
自転車仲間のGERMINのデータを見たりすると、同じコースを走っても獲得標高が少なめに出てるようなので、GERMIN持ちの方は計測値よりももっと登ってそう。
今回の検証は、あくまで目安。
計測機材が異なる場合の、データの標準化や比較には役に立つ。
いちいちこんな手間暇かけるほどのことではないですが、地図好きな自転車乗りの方は、ちょっと試してみましょう。
けっこう楽しい作業ですので。