古い自転車は、大事にしないといけません。
これは絶対の真理ですよ。
一度手にした自転車は、安易に廃棄したりすることは絶対にしてはいけない。
自転車の仕組みは古くから変わらない
自転車を自分で手を入れてみる分かりますが、自転車の仕組みはシンプルです。
この仕組みは、100年前にはもう形になっていて、細かい部品の進化はたくさんあるものの基本的な構造に変化は無いです。
何しろ、世界最大の自転車レースである、ツール・ド・フランスがスタートしたのは1903年。
この頃には、スポーツとしての自転車も始まっていたわけです。
つまり、多少古い自転車であっても、きちんとメンテナンスするコトができれば、どの自転車であっても、新車当時とさほど変わらないパフォーマンスを発揮することができる。
まだまだ現役で使うことが出来るんです。
そもそも、自転車のパワートレインは自分の身体、自分の脚力のみ。
新しいモノに変えたからといって、そのパフォーマンスはそんなには変わらない。
用途によっての使い分けはあったとしても、古い自転車を新しい自転車に変えるコトに、それほどの意味は無い。
30年間受け継がれた愛情
この間、知人から預かった車齢が30年は超えていそうな古い自転車。
ツノダのグランプリという、往年のランドナーのエンブレムを与えられたピンクのフレームですが、ハンドルはフラットバーに交換されていて、普段使いにも活用できるように仕上げられてます。
パーツ構成も、様々なメーカーが使われていて、これがメーカー製造時からこうだったのか、途中で誰かが自分の用途に合わせて組み直してみたのかは分かりませんが、どれも過不足ない性能を今でも発揮してくれてます。
Wレバーによる変速は、ハンドルから手を離さないといけないので、万人向けというわけにはいかないですが、レバーを連続的に動かして、変速機の位置を自ら決めるという操作は、自転車との一体感をこの上なく向上させます。
自分がきちんと面倒みてあげないと、この自転車は力を発揮できない…という意識は、深い愛着につながります。
こうした自転車は大事にしないといけないですね。
まだ、ぜんぜん現役です
今回は、各部の清掃とグリスアップ、チェーンは錆びてしまっていたので代替品を注文しましたが、あとは虫ゴムや、ブレーキシューを交換してあげるぐらいで、まだまだ現役で使えます。
こーゆーのって、磨いてあげてるだけで楽しくなってきますよ。
もちろん、古いが故に、ほとんどの部品は鉄製で重いですし、加工精度もイマイチなので回転抵抗は多めで、競技に使うようなレベルのものではないのは自明ですが、それだけが自転車の楽しみではないです。
事実、このピンクのグランプリは、この自転車を愛した人達によって、きちんと稼働状態を維持して、タイヤや劣化部品を交換しながら乗り継がれてきました。
この自転車に手を入れていると、そうした人達の思いが伝わってくるようで、この自転車に関わることができたことが、とても幸運に思えてきます。
自転車って、只の道具でしか無いんですけど、只の道具のみという訳でもない。
これからも大事に乗ってもらえるように、お手伝いできたら嬉しいですね。